『初めまして。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです』 日本人にも見かけられなくなった、ぬばたまの黒い髪。陶器のような真白い肌。きらきらと宝石のように光る紫色の瞳。 車椅子にのる妹の傍で、その少女は微笑みかけてきた。 美しく可愛らしい、異国のお姫様。 それはたぶん、一目惚れだったのかもしれない。 だというのに幼かったせいか何度もちょっかいを出し、喧嘩も悪戯もした。手を出してとっくみあいになったことだってある。どう考えても友好とは言い難い間柄だった。――――でも。 ふざけてはしゃいで、めいいっぱい遊んだ。 色々なことに挑戦して、二人だったら出来ないことは無いと今でも思っている。そしてそれは実際そうなのだろう。自分達二人も、周りも皆そう思っているはずだ。 だけれども、ずっと一緒だった少女は中学生に上がる前に後ろ楯だった貴族のもとへと移った。 それからアッシュフォード学園高等部に編入するまでの三年間、彼女とはほとんど会えないままで。 容易くは会えない期間を経て、彼女は何時か帰ってしまう皇女様なのだと、改めて突きつけられた気がした。三ヶ月ほど会えないと苛々する自分を自覚していたからだ。 このままでは彼女に溺れてどうしようもなくなると初めて思い知り、試しに何人かの女の子と付き合ってもみたりした。 でも、やっぱり駄目なのだ。どんなに可愛い女の子だってスタイルのいいお姉さんだって、彼女には敵いやしない。 彼女じゃなきゃ。彼女でなければ意味がないのだ。 ――――なら、どうすれば。 彼女の全てを手に入れるにはどうしたらいいのか。 枢木スザクはずっとそれを考えていた。
我 2,「ルルーシュ。君は、騎士が欲しい?」 3,「お姫様争奪戦ゲーム、開催するわよーっ!」 4,「お姉さまとスザクさんが一緒で出来なかったことなんて、一度もないんですから」 5,「あなたと生きていくんだもの」 6,「で、ルルーシュ。お返事は?」
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