※ギアスR2、17話捏造です。最強カップルが介入しまくっております。ですがちゃんとメインはスザルルです。捏造にもほどがある捏造です。スザクとルルをあのまま別れさせたくなかったためだけのお話です。読後の苦情はご遠慮願います。
 それではUターンorスクロールでどうぞ!




















『世界が平和に、みんなが幸せになるやり方で。そうすれば、ナナリーを……』


 聞こえてくる音声は偽りのない声だと思った。嘘をつく人間の声は幾度となく聞いてきたのだ。ルルーシュの嘘だって声でも、見ていても解ってしまう。そんなふうに、疑うことを第一にする自分達が認めた声だった。きっと彼は本当はルルーシュのことを――――

 だけれども残酷な銃弾は彼らを引き裂いて。
 予想していたままの展開の進み具合に、呆れたようにため息をついた。

「……なーあ? シュナイゼルってぜってぇ腹黒だよな」
「うん、俺もそう思う。いやーまさか本当にこのタイミングで来ると思わなかったよねぇ……」
「ったく、ルルーシュのやつ信用しすぎだっつーの……変なとこで真面目になるなよな」
「同感。たぶんスザク君じゃないだろうしね、あれは……って、えぇっ!?」
「どうした? って……うわ……あの、ルルーシュが泣いてるぜオイ……」
「まぁ二回目だし……ショックだよねこれは」
「でも、な」
「うん。……たぶん誤解だろうし」
「ジュリエット様はちゃんと保護しないと、な!」

 画面に映るお互いの顔を見返して、彼らは挑戦的な笑みを浮かべて見せた。
 ほぼそっくりの、顔で。



「また、か……」

 目の前の友人だった男をルルーシュは血走った目で睨みつけた。
 まただ。また、彼はルルーシュを売り払う。
 信じてはいけなかった。やはり彼は捨て去るべき過去だった。何て愚かだったのだろうか。最初から受け入れられるなんて考えてなかったくせに。そのための布石だって用意していたというのに。それでも、もしかしたらなどという幻想に惹かれてしまった自分が悪いのだ。そうだ。世界が優しくなんかないと、知っていたはずなのに。
 両脇から軍人に腕を捕まれ、逃げることは不可能だった。自分の身体能力が人よりも劣ることなどとうに知っている。チャンスを待つしか――
『ないと思ってんじゃねぇぞバーロ!!』
「――え?」
 突如頭上から聞こえてきた大音声に呆然とした。黒い影が降りてきたと思ったら周りのKMFを一瞬にして薙ぎ倒す。慌てて銃を構える軍人やカノンに頓着せずに現れたもう一つの黒い影にルルーシュはひょい、と掬い上げられた。
『救出成功、かな』
「何だあの機体は!」
「黒の騎士団か!?」
『いえ、残念ながらハズレです』
 覆い隠すように掌に包まれて銃弾の雨を避ける。迎えに来たのが誰だか解って、ルルーシュはほんの少しだけため息をついた。着いてくるなと言い置いたはずなのだが、この二人が大人しく言うことを聞くはずなどないのだ。紅蓮と似たようなフォルムを持ちながらその色はどちらとも黒に装飾されている。ただ先の一機にはところどころに青、ルルーシュが助けられた一機には白が使われていて、その機体の名を『ジョーカー』と『ウィザード』という。
『お前信用しすぎだルルーシュ! 枢木が仕掛けてこなくても、見張られてる可能性くらいお前なら考え付いただろ!』
『そーそー、ほらスザク君ってそういうの苦手そうだから。尾けられてることくらい予想して行動してほしいかなぁ』
 響いてくる二人の声にルルーシュは顔を若干引き攣らせた。……怒ってる。これは絶対怒ってる。特に後者は笑みを浮かべながらだろうけれどもかなり怒ってる。
 そのことに顔を青褪めさせるよりも先に、ふと含まれていた単語に気付き目を瞬かせた。その瞬間に目尻から伝わる雫に気付き慌てて手の甲で拭う。そして中の人間を見透かすように頭上を仰ぎ見た。
「その言い方は、スザクがこれを仕掛けてきていないと言っているように……」
『だーっ!! 十中八九絶対そうだろうが!』
『スザクくんがそんな頭廻りそうな子には見えないしねぇ』
 さり気なく酷いことを言いながらウィザードがスザクへとファクトスフィアを向けた。薙ぎ倒された機体は神社とは少し離れた林の中に倒れこんでおり、もはや戦闘不能である。残された軍人達の銃も所詮は対人用。ナイトメアに通じるわけがなく、神社の下で待機していたギルフォードの機体も先ほど足などを撃ち抜いておいたので暫くは動けまい。よって今この場は二機の独壇場となる。見上げてくるスザクの何か言いたげな目を見やって、機体の中で二人は肩を竦めた。
 少しだけ時間を作ってあげよう。
 不器用で悲しく、強がりなジュリエットと迷いを抱えた、寂しいロミオの。

「ルルーシュッ!!」
 叫ぶことしか出来なかった。そして聞こえる二つの何処か気安げな声が腹立たしかった。カレンはこちらで捕らえており、ルルーシュの傍には彼を守る親衛隊のようなものは無いと思っていたのに。それがどんな感情に直結するかは解らずも、傍にいるカノンのことすら忘れてスザクはただ彼の名を呼んだ。
 黒い機体の手の上で、ほんの少しルルーシュがこちらを向く。その眦の端に先ほどから見える涙の雫が見えてスザクはその涙を拭い去りたい衝動に駆られた。
 そんな立場じゃないというのに。今だって彼を全部許したわけじゃなくて、ただ、ただ彼と手を――――
『はい、一度お持ちかえりー』
「うわっ!?」
「枢木卿!!」
「貴様ら何を!!」
 意識から逸れていたもう一つの機体に掬い上げられスザクはぎょっとした。慌てて軍人やらカノンが救おうと手を伸ばし、銃を掲げるも何の効果もない。抵抗など全く出来ずにスザクはそのまま浮上したナイトメアの掌の上で舌打ちをした。それが聞こえたのか、凛とした声が不満そうな声を漏らす。
『なんだよ、せっかく誤解だけでも解いてやろうかと思ったのに』
「誤解?」
『そう。スザク君、ルルーシュのことまた売り払うつもりなんて無かったでしょ?』
 やんわりと聞こえてきた声にハッとして横を見やった。併列して飛行するナイトメアの向こうの掌ではルルーシュがどうしたらいいか解らなさそうに、スザクのほうを見やっていた。怒っていたはずだというのに、先ほどの誰かの言葉で少し考え直してくれたらしい。眦を吊り上げつつ、しかし何処かおどおどとして指の隙間に身を隠しこちらをちらちらと伺い見る姿は、まるで小動物のようである。
 思わず今がどんな状況か忘れて、スザクはぷっと吹きだした。
「なっ!!」
「る、ルルーシュ、きみ……なんか、リスとかハムスターとかそんな感じ……!」
「わ、笑うなお前! この状況についての何かは無いのか!」
「いや、あるんだけど……でも、なんか」
 ついさっきまで頭を踏みつけ突き飛ばし、憎しみをぶつけた相手に笑うスザクが一番おかしい。けれどもそんな自分に笑われて、拗ねたようにそっぽを向くルルーシュとどちらがおかしいのだろうか。
 ルルーシュがついた嘘を本当に見抜いたのはたぶん初めて――――スザクが拭えない罪を犯した時から初めてだった。子供の頃は理由なんていらなくって、それをルルーシュにも求めたはずなのにいつの間にか、スザクが理由を求めていた。
 スザクを助けたのはルルーシュの中で、スザクが大切な友達だったからで。
 ホテルジャックの時に助けたのは、生徒会の皆を大事にしていたからで。
 神根島のあの時に「生きろ」などと言ったのは――――スザクに生きる意志が無いのを知ったから。
 呪いだ。人の道筋を歪める酷い呪いだ。生き残りたかっただけならば、スザクを洗脳するようにギアスをかけることだって出来た。「ゼロを殺させるな」だって良かった。なのに、なのにルルーシュがかけたのは。
『ルルーシュ。そろそろ追っ手がくる。さっさと話しておけ』
「……何をだ」
『君がついた嘘の最重要点だよ。このままじゃ二人とも誤解したままじゃん。ユーフェミア皇女殿下と手を握りあって協力しようとしてたら、恐らく外部からの干渉でギアスを暴走させられたって』
「っ!?」
「っ、カイトッ!!」
 のんびりとした口調で語られた言葉にルルーシュが怒声をあげた。だが一度発されたものはもうどうしようもなく、スザクは告げられた事実に瞠目する。もしそれが、本当に真実ならば。
「違う! 俺は、ユーフェミアに最初からギアスをかけるつもりで! 特区など成功させるわけには行かなかったから」
『でもそのユーフェミア皇女がかなりの覚悟決めてて、しかもナナリーのためよ、なんて言われちゃったからシスコンのルルーシュが妹からの、しかも初恋の相手から差し出された手を振り払えるわけもなく』
『結局妹に甘いっつーか身内には甘いっつーか……』
「お前達もう口を開くなっ!」
 ルルーシュが本気で焦って怒っているところを見ると、それはきっと事実なのだ。何故彼らがそんなことを知っているのかは解らないけれども。ルルーシュは必死に、まるで癇癪を起こした子供のように言い募る。
「違う違う違うっ! ユーフェミアに罪を負わせて、日本人を決起させるためだったんだ! 過去なんだ! 全部、戻れない、取り戻せない過去なんだ……!」
 スザクの目には、ルルーシュを覆う仮面がぼろぼろと崩れ始めたのが見えた。
 何枚にも重ねられ塗り固められたペルソナに、ぴしぴしと音をたててヒビが入っていく。ぼろぼろと崩れ落ちるカケラには涙の跡が見える気がする。錯覚であろうそれは、しかしルルーシュの真実なのだろう。
 忘れていた。
 そうだった。八年前から、土蔵の前で初めて出会ったあの時からずっと、ルルーシュは嘘をたくさんついていた。ナナリーを不安がらせないための、優しい嘘。残されたたった一人の妹を守るための嘘。
 彼は呼吸をするように嘘をつく。でもその嘘に、彼を本当に守る嘘はない。彼は全ての罪をその体に背負うつもりなのだ。誰にも渡さずにひっそりと。
『シャーリーに関しては彼女が逝く前に駆け付けて、泣き叫びながら「死ぬな!」ってギアスかけたりしてたし』
『つーか殺すつもりなら、彼女が落ちた時に駆け寄って自分も落ちそうになったりなんてしないよな』
「シンイチ! お前も喋るな!」
『大体、ゼロとしてあんなに早く現れたのは枢木を助けるためだったとしか考えられねぇし……』
『原点はナナちゃんでも、実際問題あの時のゼロはスザク君のためだよねー。あの頃は騎士団なんて作るつもりなかったんだし』
「お前達……っ!!」
 いらないことをぺらぺらと喋るカイトとシンイチにルルーシュは怒りで声も出せなくなる。絶対にスザクには知らせてはいけない秘密。それをこうも簡単にばらされると腹がたつ。
 これ以上何か喋られる前に何とかしなくては、とルルーシュは思考を巡らせ始める。しかし凛と響くような声に名を呼ばれ、幾通りか浮かんだ案は遮られた。
「ルルーシュ。その二人の言っていることは本当かい?」
「……この二人がこう言うのは、お前も知っている通り俺のギアスで記憶を……」
『いやいやいや』
『俺達にはギアスって使えないんだよねー』
「っ、大人しく口裏を合わせろお前達! 一体誰の味方だ!」
『『ルルーシュ』』
「なら!!」
『いや、だからルルーシュの味方なんだよね俺達』
『だからこそ、真実は他の誰かにも知って欲しいじゃねぇか』
 ねぇ? うん。
 と至って何の遠慮もなしに会話をする二人に、ルルーシュは出来ることならば気絶してしまいたいと心底思った。
 絶句して言いあぐねるルルーシュを見やりスザクは軽くため息をつく。彼らの言葉を信じるならばルルーシュがスザクに言った言葉はほぼ嘘だということになる。やっぱり嘘つきと言うべきなのだろうか。
「ルルーシュ」
 名を呼べばルルーシュがはっとしてスザクを見やる。何かを言いあぐねるように視線をさ迷わせてから、ルルーシュは視線を横に逸らせつつぽつりぽつりと喋りだした。
「……シャーリーの父親を殺してしまったのも、ユフィを殺すしかない状況に追い込んだのも、日本人の虐殺が起こってしまったのも、ブラックリベリオンで多数の死傷者が出たのも、シャーリーが殺されたのも……ギアス絡みで起こることは、黒の騎士団で行ったことは全て俺のせいだ。俺が招いたことだ。その全てにどんな理由があろうとも、罰されるべきは俺一人なんだ。だから俺は嘘はついて、いないんだ……」
 唇を引き結び、そう喋るルルーシュはスザクの知るルルーシュだった。
 ゼロでもなくルルーシュ・ランペルージでもルルーシュ・ヴィ・ブリタニアでもなく、そこにいるのはスザクの幼馴染のルルーシュだった。あの遠い夏の日に出会った、妹想いで頭が良く面倒見も良く、でもどこか抜けていて優しい“ルルーシュ”だった。
「……ルルーシュ、ちょっと気をつけてね」
「え?」
 ぐっと腰を落としてからスザクはルルーシュの乗る掌へと飛び移った。『うわっ!?』『ちょっ!?』などナイトメアからは悲鳴が聞こえるが、スザクはそんなことを全く気にした様子もなくルルーシュへとそっと近寄る。ルルーシュの頬はまだ赤い。それに気付いて頬へ手を伸ばすとルルーシュの体がびくっと一瞬震えた。
「……ごめん」
「気に、するな」
『……お願いだから何か一言言うとかさぁ……』
『寿命が縮まった気がすっぞ……』
 触れた頬はまだ熱を持っていて痛々しかった。そのことに謝るつもりはない。ただ怯えさせるつもりはなかった。
「……君の事を許すつもりは、ないよ。どんな事情があれ君は反逆者のゼロで、ユフィの仇だ。それは事実で……消せない」
「ああ、解ってる」
「でも僕は、俺は……君をただ憎むことは出来ないんだ」
「え?」
「君となら、どんなことでも出来る気がする。それは僕も同じなんだ。何かをしている時に君ならどうするだろう? って考える。思考がどうしても君に向く。君を殺したいって思ってるときでもそれは変わらなくて、自分の中の矛盾に嫌気がさした。……漸く解ったよ。俺は、まだ君と手をとりたいんだ。許せないし憎んでる。償わせたいと思う。でもそれでも、本当は全てが夢で君と笑いあいたいって心底思うほどに――君を望んでいるんだ」
 もう認めてしまおう。スザクはルルーシュが嫌いになれない。憎悪しても殺したいと思っても、許せなくてもでも。スザクはルルーシュのことを嫌いになれない。IFの未来を考えるくらいに望んでいる。欲しがっている。

『許せないことなんてないよ。それはきっとスザクくんが許さないだけ。許したくないの』

 シャーリーの言葉が甦る。
 そう、スザクは許せない。許したくない。ルルーシュは確かに罪を犯し嘘をついたのだから。だけれども、許しはしなくとも。想う事は出来るのではないだろうか。

 呆然とするルルーシュにスザクは笑う。さっきは掴めなかった手を伸ばして握り締めて、笑う。そうすれば微かに力が込められてスザクは微笑んだ。
「約束するよ、ルルーシュ。ナナリーは絶対に守る。それだけは約束するから」
 だから。
「もう一度話をしよう。全てに決着がついたら話をしよう。それまでどうか――」

 ――生きていて。

 その言葉が紡がれた瞬間、後方から飛来した発砲音にナイトメア二機が動いた。示し合わせたようにジョーカーが後方へ威嚇のように攻撃をする。その隙にウィザードが下方へと降下し小さめな声でパイロットが喋った。
『さぁ、スザク君は降りて。何かシュナイゼルに言われても喋っちゃ駄目だからね。彼は何かを企んでいるから』
「……善処します」
「スザ、ク……」
 三メートルくらいの高さなら余裕で飛び降りられると背を向けていると、ルルーシュが名を呼ぶ。その声に振り向いて笑いかけ、スザクは言った。

「……またね、ルルーシュ」

 一年前に言った言葉を、言えない筈だった言葉を残して、スザクは飛び降りた。








「……来なくてもいいと、言っただろう」
「無理に決まってるだろそんなの」
「そうそう。ルルーシュがいなくなったら俺達どうしようもないし」
 ギアスのいう孤独な力は、ギアスが通用しない俺達にも作用しないんじゃないー? と笑っていってみせるカイトにルルーシュは少しため息をついた。ジョーカーからシンイチも降りてきて、ぽんぽん、と軽く頭を叩かれる。
「俺達が帰れる可能性を握ってるのはお前だけなんだから勝手に行動させてもらうぞ。死なせはしないからな」
「……ああ。……ありがとう」
 戦いが始まる。隠してあった蜃気楼に乗り込んでルルーシュは前を見据えた。
「……話そう、スザク。八年前からの話を、しよう――」
 今は、この道を進むけれど。
 お前がそう言ってくれるのなら――――











「……すみません、ギアスのことは……僕も正直よく解らないんです。皇帝陛下なら知っていらっしゃると思うんですが……」
「父上がかい?」
「はい。僕が知っているのは、ギアスという超能力的なものがある、というぐらいで……すみません」
「そうか……。本当に、それだけなんだね」
「はい」
「解った。ありがとう」
 部屋を出てそっと息をついた。
 嘘をついた。まだほんの少し知っていることがある。だがそれはまだ言わない。
 許せない。許したくない。……許す理由をルルーシュが与えてくれなかったから。でも今は、許せなくても想う事が出来る。
「……また、ね」
 見上げた先に見えるのは自分の愛機。それに積まれたものは使わない。これは全ての可能性を奪ってしまう道具だ。ニーナには申し訳ないが、だがスザクは。
「もう一度話がしたいんだ」
 ルルーシュと話せる未来を信じて。







“引っ張りあげられたらいいと、願う”













 介入させてみよう、第二弾。
 あんまり介入させた意味がないけど、でも出来ればこんな感じ。二人にはもっと落ち着いて喋りあう必要がたくさんある。というかルルーシュが話をしなすぎ。もう少しちゃんと話したほうがいい。
 快斗と新一はギアス世界へトリップしてきております。起こったことをほぼ全て知っているのは来る前にアカシックレコード(又はCの世界のルルーシュバージョン)みたいのに触れたからとかそんな理由。今でもそんな力は備わってる。というかルルーシュに関わることなら強制電波受信。(笑)別世界の人間なのでギアスは効きません。契約も出来ません。よってある意味この世界最強。