※ルルーシュがぶっ壊れてます。タイトルで察しはついたかと思いますがそうゆうことです。いつものごとく見切り発車です。スザクが史上最高に報われておらず可哀想な気がします。むしろ本当にくっくのかすらわからn(ry 女子メンバーが相当ぶっ壊れているのでどんなルルーシュたちでも大丈夫! と言える方だけご覧ください。見た後の苦情はご勘弁。 かってないほどのギャグです。たぶん。 Uターンorスクロールでどうぞ! 『父さんは、母さんと私たちを愛してないんだ』 そんなことない、と言える根拠を何一つ持っていなかった。あるのはむしろそれを肯定する言葉ばかりで。嗚咽を堪えて押し殺すように泣く彼女を、ちっとも慰められない自分が悔しかった。 肩を震わせて強がって、嘲るように笑うその笑みが、痛々しくて悲しくて切なくて。彼女にはそんな笑顔似合わないのに。彼女には陽だまりのような優しい笑みを浮かべていて欲しい。自分の名を呼んで、嬉しそうに笑うその姿が一番大好きだったから。 だから、そんな笑顔をさせたくないと、強く強く思ったのだ。 『……俺だったら、絶対にそんなことしない』 『……スザク?』 『俺だったら、好きなやつを泣かせるようなこと、絶対にしない。いっつも傍にいて……だ、大好きだって言って、ちゃんと守ってやる』 『……スザクに好きになってもらえる人は、幸せだな』 そう言って寂しげに、でもどこか嬉しそうに微笑んだ顔に。 恋に、落ちたのだ。 「…………あの、さルルーシュ」 「ん?」 あれから七年経ってお互い十七歳になった。ずっと幼馴染みという立場に甘んじていたけれど、もういい頃だろう。そろそろ、一つ階段を登ってみても。 学校からの帰り道、少し立ち止まって一歩行く彼女を呼び止めた。サラサラと長い髪が風に揺らめく。振り返った彼女は夕焼けに照らされてとても綺麗だ。 あどけない表情で不思議そうにこちらを見上げる彼女にごくりと喉が鳴る。腕を伸ばして掻き抱きたい気持ちを必死で押さえつけた。 「…………その……」 心臓が高鳴って上手く言葉が紡げない。言いあぐねるスザクにルルーシュは暫く首を傾げていたが――――不意にぽん、と手を叩いて弾けるような笑みを浮かべた。 「あ、もしかしてスザク」 「え!?」 「ジノと付き合い始めたっていう報告か?」 「…………………………は?」 「おめでとう! 全力で祝福してやるぞ!」 ――――――拝啓母上様。 まさか好きな子に「男と付き合うこと(超誤解)」を祝福されるとは思いませんでした。 「ったく、喜んで損した……」 「いや、最初からそんなこと言ってないし! ってか僕もジノも男だから!」 「何を言ってるんだ。男だろうと恋は出来るだろうが」 「君の好きな本ではそうかもしれないけど僕は違うの! 僕はノーマル! ヘテロの恋愛がしたいんだよ!」 「そうか、解った。じゃあお前がこのC.C.からもらった男女逆転★ドロップを舐めれば女になるからそれでジノと付き合えばいいわけだな? いや、ロロでもいいが」 「ちょっ!? C.C.何てものを作ってるのさ! てかそれ本当にそうなるの!? いやまずそもそも僕はジノともロロとも付き合う気はないって!!」 「ね、姉さん! 僕もスザクさんとなんて付き合いたくないよ!!」 「ん? ちょっと待てよ。スザロロだったらスザクよりもロロが飲んだ方が可愛いな。妹が二人出来るし」 「「ルルーシュ(姉さん)!!」」 「大変ねアンタ達……」 しみじみと、しかしどこか面白がっているような声で呟くカレンを思わずギッ! と睨み付けた。普通の男でも怯むようなそれをカレンは平然とした様子で受け流す。八つ当たりすら満足に出来ないことに気が滅入って、スザクはマリアナ海溝よりも深いため息をついた。 「勘弁してほしいよ……」 「毎度のことだけど、告白失敗記録更新おめでとう。もう30回くらいだっけ?」 「まだ28回だよ! …………今までで一番最悪だけど」 からかうようなカレンに反論するも、自分で言ってることに虚しくなりスザクはがっくりと肩を落とす。その様子をシャーリーが苦笑して見守り、ミレイが楽しげにルルーシュへ声をかけた。 「なになに? ルルちゃん、スザクくん攻めに目覚めたの? 今まででずっとスザクくん受けだったのに」 「ロロが最近凄く可愛いんですよね。昔のスザクよりもずっと。だからロロ受けでスザク攻めでもいけるかなって」 さらりと自分とスザクを引き合いに出すルルーシュに、ロロは若干涙目になりながら姉さん……! と切なく呟いた。義理の姉であり想い人である相手にそんなこと言われたら泣きたくなるだろう。と、いうかスザクは帰った後ここ数年ぶりに少し泣いた。 「ジノとだとやっぱりどうしてもジノスザなんですよね、体格差からいって」 「あら、下克上っていう手もあるわよ?」 「ジノロロでもいいと思う、けど……」 「いや、だったらスザロロがいい。そうしたら私は間近でBLが見られて万々歳だ!」 「私はスザジノでもいいと思うんだけどなぁー」 ミレイとルルーシュの会話に更にニーナとシャーリーが加わる。遠巻きから見れば見目麗しい少女たちの談話なのだが、その内容はかなりえげつない。 力強く主張するルルーシュの言葉に、スザクはまた涙が込み上げてくるのを感じて肩をふるふると震わせ俯く。そんなスザクの肩を隣で黙って苦笑していたジノが宥めるように叩いた。 「僕は、まったくの、ノーマルなんだ……っ!!」 「ルルーシュ先輩、今日も絶好調だなぁ」 「姉さん、僕もノーマルがいいよ……。むしろ僕×姉さんで……っ!」 「あらみなさん。BLやNLもいいですけどGLもいいと思いません? 妹×姉なんて。勝ち気に見えて実はうぶな姉を妹が優しく言葉責めで愛するのとか」 「…………ナナリー」 「ちなみに私はBLならゲンシャル派ですけど」 「ナナリィ――ッ!?」 「冗談ですよ」 「GLなら同級生で同じクラス、ってのもいいんじゃない? 放課後にいつも使ってる教室で秘め事って燃えるわよね」 「カレンッ!!」 「冗談よ」 突然横から加わってきたナナリーと、カレンの爆弾発言にスザクはヒットポイント(むしろメンタルポイント)が削られていくのをひしひしと感じた。更にそこでジノがニヤリと笑いながら低く呟く。 「……そのGLの現場に割り込んで一緒にするのもいいよな?」 「ぶち殺す」 「スザクさん、お顔が笑っていても目が怖いですよ?」 「何もルルーシュだとは言ってないのに……間違ってないけど」 「ですね」 「お願いだからこの異空間を誰かどうにかしてください……!!」 悲痛なロロの叫びに深く頷いて同意をしたのは、スザクだけだった。(リヴァルは不在)
“前途多難な恋、してます” |