「はい、もしもし」 「あ、新一? 俺なんだけど……」 「…………どちらさまですか?」 「え。……え、ちょ、新一俺何かやっ」 「じょーだんだって。そんなに慌てるなよ快斗」 「へ?……ああびっくりした。意地悪しないでよ新一」 「こんな時間にいきなり電話してきたお前が悪い。今何時だと思ってるんだ。と、いうかお前確かアメリカでショー依頼受けてなかったか?」 「あ、うん。もう終わったよ」 「そうか。どうだった?」 「えっと、上々だったと思う。プロデューサーも喜んでたし……って、違う!」 「ん?」 「えっと……そういうことを話しに電話したわけじゃないんだよ」 「じゃあどういうことなんだ」 「その……えっと……」 「ん?」 「……あの、さ。俺が今から言うこと聞いても、怒らないでくれる?」 「…………は?」 「ちょっと、変なこと言うかもしれないから」 「話によるぞ。何なんだよ」 「…………」 「…………」 「……………………けっこんしない?」 「…………」 「…………えっとあの、俺と、けっ」 「そういうこと」 「へ?」 「そういうこと、電話で、言うか?」 「……えっと……そうだね、ごめん……」 「ましてや俺とお前は付き合ってもないし」 「うん」 「大体、男同士だし」 「うん」 「……唯でさえ、一足飛びに飛び越えてるくせに、電話で、するか?」 「…………」 <ピンポーン> 「こんな時間なのに……灰原か?……誰か来たから出てくる。じゃあな、快斗」 「しん……」 <プツッ> 「…………ったく、あのバカイトめ…………」 <トントントン……カチャカチャ、キィ……> 「…………」 「…………」 「…………おまえ、なんで…………」 「結婚しよう?」 「…………」 「俺と……生涯、共にすごしてください。愛してるよ、新一」 「…………ばかやろう…………」 (おれが、どれだけそのことばをまっていたか、おまえはしらないだろ) |
「………………」 「………………」 「………………」 「………………つまり、結婚式ごっこをしたいから私に神父役をしろと?」 「うん。ダメ?」 「…………どうせなら寺井さんとかに頼めばいいんじゃない?」 「や、だって……寺井ちゃん感激して泣いて喋れ無さそうだし」 「…………なら、他に男性の知り合いとか」 「つーか俺はやりたくない…………」 「何言ってるのさ! 結婚って言ったら結婚式でしょ!? 白無垢とかドレスとか!」 「………………お前が着るんだよな?」 「あなたじゃない?」 「もちろん新ちゃんv ぴったりの綺麗なやつが……」 「こ と わ る!!」 「え〜〜〜っっ!!!」 「泣き落としは無駄だからな!」 「………………そういえば出席者は?」 「予定だと哀ちゃんと寺井ちゃんと博士と俺のお袋と…………」 「あら? 工藤君のご両親は?」 「呼べるか! あの親が来たら絶対何かやらかすに決まってる……っ!」 「………………(否定出来ない)」 「でもさぁ、後からバレるより先に言っちゃったほうが……」 「いーやーだーっっ!!!」 「知らないよー……?(汗)」 「………………」 「………………なんで……」 「やぁ新一、凄く綺麗だぞ。まるで私たちの結婚式のときの有希子を見ているようだ」 「ほんとうv新ちゃん綺麗よ〜vv」 「なんでいるんだよ二人ともっ! 教えてねぇのに……っ!!」 「嫌だな、新一。花嫁を花婿のところまでエスコートするのは父親の役目だろう?」 「花嫁じゃない――っ!!」 「いや、お似合いですよ新一さま」 「良く似あっとるぞー新一」 「………………(こそっ)あのさ、やっぱり教えたの哀ちゃん?」 「私以外に誰がいるの?」 「…………デスよねー」 「………………」 「………………」 「………………から」 「え?」 「あの人が幸せになる報告を、見せなきゃいけないと思ったから」 「………………そうだね」 「…………貴方も」 「うん?」 「二人で幸せにならなかったら、承知しないから」 「………………約束するよ。絶対、幸せにするから。なるから。だから、見守ってて?」 「ええ」 「よろしく、お隣さん」 「…………ああ、だけど」 「なに?」 「私夫婦喧嘩の駆け込み寺にだけはなりたくないから、そこのところよろしくね」 「………………肝に銘じます」 「じゃあ、いきましょうか。そろそろ工藤君を助けてあげないと」 「うん!」 (きっと、ずっと、真っ白な幸せの道は続いていく きみと、みんなといっしょに!) |